事例紹介

職人文化にデジタルを融合。3代目社長が語る「ブレないDX」と家具製造業の未来

提供:レグナテック株式会社

佐賀県で木製家具製造を手掛けるレグナテック株式会社。3代目の樺島社長は、職人気質な業界の常識にとらわれず、海外展開や外部人材の登用など革新的な取り組みを進めています。本コラムでは、同社が伴走支援を活用しDX認定を取得した経緯や、システム選定における「ブレない軸」、そして生成AIを活用した今後の展望についてお話を伺いました。

外部コンサルと二人三脚で挑んだDX認定と業務の棚卸し

中島/SISC

本日はよろしくお願いいたします。まずは、昨年の12月に取得されたDX認定について伺います。取り組みを始められたきっかけや進め方を教えてください。

樺島社長

佐賀市のDX推進の補助事業を活用し、2年ほどかけて準備を進めてきました。1年目はコンサルタントのITC九州さんに入っていただき、自社の業務課題を洗い出して、DXでどう変えていくかという戦略をまとめました。

中島/SISC

戦略書の作成などは、社長ご自身で手を動かされたのですか?

樺島社長

実際に資料をまとめる作業はITC九州(一般社団法人IT経営コンサルティング九州)さんに伴走していただきました。ヒアリングを受けたり、逆にこちらから質問をして議論を重ねたりして作っていきました。私たちがたくさん要望や宿題を出したこともあって、ITC九州さんからは「こんなに分厚い戦略書ができたのは初めてです」と言われましたね。

中島/SISC

業者任せにして「なんとなく取得した」という企業も多い中で、自社の思いや考えをしっかり反映させたからこその分厚さだったのですね。

現場を巻き込む社内体制と、若手目線を重視したシステム選定

中島/SISC

社内のプロジェクト体制としては、社長お一人で進められたのでしょうか?

樺島社長

いえ、私より1つ年下で、工場勤務15年のベテランスタッフを右腕として抜擢し、2人で取り組みました。彼は全工程を熟知していて、ベテランから若手まで誰とでもフラットに接することができる人柄なんです。経営や全体戦略の話に入るのが楽しかったようで、すごく熱量高く頑張ってくれました。

中島/SISC

素晴らしい右腕ですね。システムの選定において、こだわったポイントは何でしょうか?

樺島社長

販売管理から生産管理まで同じUI(ユーザーインターフェース)で作られていることと、そのUIが「今どきのデザイン」であることです。これから若い世代が入ってくる中で、昔ながらの製造業らしい画面ではないものが良かったんです。また、買い切りではなくクラウド型で、時代の変化に合わせてカスタマイズが効く点も決め手でした。

DX推進における「ブレない軸」と業界への危機感

中島/SISC

DX推進や新規事業を進める上で、社長が絶対にブレさせない「軸」はありますか?

樺島社長

すべての判断基準は「会社の利益と社員の待遇につながるかどうか」です。それ以外のことは、たとえ自分がやりたいと思ってもやりませんし、逆にやりたくないことでも利益や待遇につながるならやります。

中島/SISC

全体を見据えられているからこその明確な基準ですね。業界全体への危機感のようなものもあるのでしょうか?

樺島社長

木工家具製造業界は職人気質な方が多く、「いいものを作る」ことにフォーカスしがちです。しかし、今の時代は機械の性能も上がり、職人がこだわり抜いたものがオーバースペックになることも多いんです。利益を出し、社員の待遇を良くして新しい人材に来てもらうためには、デジタルやAIを活用し、合理的に「売ること」や「効率化」にも注力し、バランスを取らなければならないと考えています。

社長とロゴ

異色のバックボーンを持つ3代目社長と、先代との絶妙な関係性

中島/SISC

社長ご自身のバックボーンについても伺えますか?

樺島社長

大学までずっと野球をやっていました。最初は高校の先生になるつもりだったのですが、一度ハウスメーカーに就職し、その後実家に戻りました。戻って数年後、海外に販路を広げるタイミングで英語の必要性を痛感し、フィリピンへ語学留学に行ったんです。帰国後は海外事業部を立ち上げました。外の世界から色々な知見や価値観を取り入れられたのは大きかったですね。

中島/SISC

先代であるお父様(現会長)との関係性や、事業承継はどのように進められたのですか?

樺島社長

会長は自分でゴリゴリ道を切り拓いてきた第2創業者のような人です。私は社長になる前に「小さな失敗」を経験しておくべきだと考えていて、会長がやってきたことを参考にしながら、事後報告で許されるラインを見極めて勝手に決済を出したりしていました(笑)。頻繁に2人で飲みに行ったりと、関係はすごく良好ですよ。

生成AIの活用とEC展開。伝統産業に新しい風を吹き込む

中島/SISC

EC事業や生成AIの活用など、新しいことにもどんどん挑戦されていますね。

樺島社長

ECに関しては、私はずっと海外事業をやっていたため、国内の取引先とのしがらみが少なく、心理的なハードルが低かったのが幸いしました。生成AIについては、商品の画像を作る際に活用しています。背景を木の床から大理石やモルタルに変えるなど、お客様が空間をイメージしやすいような提案資料の作成を量産できるようになりました。

中島/SISC

日本の伝統的な業界では新しいことへの抵抗感が強いこともありますが、社長は非常に合理的ですね。

樺島社長

 平成生まれで「失われた30年」と言われて育った世代なので、いい時代を知らないんですよ。だからこそ、新しいやり方でやるしかないという思いがあります。

家具づくりから「人が集まる場所」づくりへ。レグナテックが描く未来

中島/SISC

 最後に、これからの展望や思い描いている理想像について教えてください。

樺島社長

木家具製造業の「見え方」を変えたいと思っています。「家具を作って売るだけ」から脱却し、工場の広い敷地を活かして、カフェやレストランを併設し、人が集まる場所にしたいんです。そして、「木工」をより身近に感じてもらえるようにしたいと考えています。

外観写真

中島/SISC

家具と食が融合した空間、とても素敵ですね。

樺島社長

佐賀空港や沿岸道路からも近いので、もっと工場を身近に感じてもらえるような場所にしたいですね。業界の常識を少しずつずらしながら、新たなチャレンジを続けていきたいと思っています。

中島/SISC

本日は貴重なお話をありがとうございました!

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