
DXセレクションで描いた絵を 実現するための伴走支援
提供:山口産業株式会社
山口産業株式会社(本社:佐賀県多久市)は、膜構造建 第築の総合メーカーとして、テント倉庫やスポーツ施設、膜屋根シェルターなどの設計・製造・施工を手掛けてい ます。近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進し、2024年には「DXセレクション」において準グランプリを受賞するなど、その取り組みが高く評価されました。 しかし、DXをさらに推進するためには、DX人材の育成や情報セキュリティ体制の構築といった具体的なアクションプランが必要でした。そこで、山口産業株式会社はDX伴走支援を株式会社BottoKに依頼し、企業全体のDX推進基盤を強化する取り組みを進めました。今回は、山口産業の取り組みについて、松尾様にインタビューしました。
取り組みの概要
DX教育計画の全体構成の見直し/策定
元々社内で策定されていたDX教育計画を具体的な研修プログラムへと落とし込む作業を行いました。その際、以下の点に重点を置きました
・目的・ゴールの整理・プログラム概要の整理
・社内講師・社外講師の選定・宿題の設計
これにより、DX教育計画を各月のプログラムに具体的に落とし込むことを実施しました。
その上で、DX教育計画のOFF-JT研修の一環として、以下の研修をBottoK社に依頼しました。
・データ分析・活用研修:データの収集・分析方法を学
び、業務への活用方法を理解する
・生成AI活用研修:最新の生成AI技術の実践的な活用方法を習得する
・AIトレンド研修:AI業界の最新動向やトレンドを把握し、業務改善に活かす
AIトレンド研修等を実施した結果、参加したDX推進メンバーから以下のような気づきの声が寄せられました
・約10年後、20年後の将来を見据え、自分の仕事がどのように変わるかを考える機会となった。実践レベルでの落とし込みができれば、より良かった
・2回目の生成AI活用研修実施後、書類作成業務が大幅に効率化された
・AIの使い方が分かるかどうかで業務の効率に大きな差が生じることを実感した。
受講した社員からこのような声が生まれたことは一つDX人材育成を実施する上での狙いでも有りますし、一定の手応えを得ることができました。次年度はより実務的なDX人材育成に注力できればと考えております。
全体教育体系図の整理
DX教育計画の整理後、全体の教育体系図の整理も実施しました。
階層別・部署別に必要な教育内容を整理し、教育体系の整備を進めました。
また、教育のデジタル化にも取り組み、eラーニングプラットフォーム「learningBOX」の活用を検討しました。
BottoK社のアドバイスを受け、当社内部の知見を活かしたeラーニング化の実現に期待を寄せています。全体教育体系図の整理が完了次第、本格的な運用を検討する予定です。
情報セキュリティ規定の策定・チェック
社内ではデジタルツールの導入が進んでいたが、それに伴う社員のセキュリティ意識向上が課題と認識されていた。
例えば、ノートPCの取り扱いや、不用意に不審なメールやウェブサイトへアクセスしないことなど、基本的なセキュリティ対策の浸透が必要であった。そのため、情報セキュリティ規程の整備と社員のリテラシー向上に重点を置いた取り組みを進めることとなった。
この課題についてBottoK社に相談したところ、伴走支援を行っている佐賀IDC社の紹介を受け、セキュリティポリシーの策定に着手しました。佐賀IDC社の支援のもと、以下の取り組みを実施しました
・ 情報セキュリティ規程の策定:ノートPCの管理ルールや、インターネット利用時のガイドラインを明確化
自社内で進める場合、膨大な工数がかかる課題でしたが、佐賀IDC社の主導により、業務への負担を抑えつつ実用的なセキュリティポリシーを策定することができました。
この取り組みにより、社内の情報セキュリティ意識の向上とデータ管理の強化を実現し、より安全な業務環境の構築が可能となりました。今回策定したセキュリティーポリシーを今後社内規定として活用できればと考えております。
今後の展望
DXで築く未来戦略と持続可能な成長
山口産業株式会社では、DX推進を経営戦略の中心に据え、中期経営計画の実現に向けた取り組みを強化していきます。DXの浸透を通じて、業務の効率化と生産性の向上を図り、企業の競争力を高めることを目指しています。
DXセレクション2024でのプレゼンテーションにおいて、中期経営計画として以下の取り組みを掲げました。
1. DX人材教育による組織力強化
2.情報分析強化による販売力向上
3.情報共有(デジタルビジョン構想)
4.DXによる業務効率化と業務プロセスの改革
5.DX推進を保護するセキュリティ改革
6.DXによる従業員満足度向上と働き方改革
本支援を通じて、計画の実現に近づいた内容、次年度により力を入れていくべきテーマが明確になっています。
また、中期経営計画の柱として、DXを活用した「収益構造の変革」と「持続可能な事業基盤の構築」を掲げ、以下の長期的な取り組みを進めています
・デジタル武装された経験と技術による課題解決型のモノづくり
・デジタル技術と現場の知見を融合し、高付加価値製品の開発を推進
・需要と課題起点で、新たな価値を創造するProfitCenterの実現
・データドリブンなアプローチにより、顧客ニーズの変化に即応する柔軟な事業展開
・持続可能な社会の構築への貢献
・環境負荷を軽減する膜構造技術の活用を通じて、社会課題の解決に取り組む。
これらの施策を通じて、山口産業株式会社は、企業価値の向上と持続可能な成長を実現し、DXを通じた新たなビジネスモデルの確立に取り組んでいきます。
(企業概要)
企業名:山口産業株式会社
住所:住所:〒846-0031 佐賀県多久市多久町3555-120
事業内容:膜構造建築物/合成繊維/金属及び合成樹脂/保安用資材/一般産業資材並びに製品販売/化製品の製造並びに販売
R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社佐賀IDC/株式会社BottoK