事例紹介

事業拡大のための 〝攻めのDX〟を目指す

提供:株式会社佐賀広告センター 

昭和43年7月1日、佐賀県内初の総合広告代理店として発足。佐賀新聞社のグループとして広告の企画制作、新聞やテレビなどの広告媒体の取扱いなどを行ってきました。時代の変遷と共に業務内容も拡大し、営業ナレッジの属人化や顧客管理の改善が急務となっています。そこで、佐賀広告センターの古賀さまと中島さまにお話を伺いました。

株式会社佐賀広告センター
取締役 営業・総務担当/古賀利彦さま
株式会社佐賀広告センター
総務部 総務課/中島早紀さま

佐賀広告センターの企業概要

「 佐賀広告センターは、創業から57年を迎える、佐賀県の老舗広告代理店です。佐賀新聞社のグループとして、佐賀県のほか、福岡県の新聞やテレビなどの広告媒体の取り扱いや、印刷物、交通広告、PR雑誌の制作などを主な業務としてきましたが、現在はメディア以外の業務が増えています。以前より、イベントの仕事をさせていただいてきましたが、コロナ禍前後で、企業様を中心にメディアへの広告の出稿量が減り、『出稿が落ち込んだ時にどうすべきか?』という課題に直面しました。そのような中、商品券事業やワクチン接種事業など、これまでには無かった業務にチャレンジするなど、創業当時に比べて業務内容は大きく変化しています」

DX取り組むきっかけと課題

「まずは情報管理が急務だと思っていました。社内での情報共有のやり方ですね。ナレッジシェアが必要でした。そして、業務の工程管理も欠かせません。また、扱わせていただく業務が時代と共に変化していく中で、顧客管理などが属人化してしまった。それをうまくシェアしたかったんです。
商品券事業などは、業務の進め方がほかと違い慣れが必要であったり、100周年を企業が迎えて、その祝賀パーティーの運営などもお手伝いさせていただいています。若手社員にこういった業務ナレッジをシェアできれば、もっともっと受注できるんじゃないかと思うんです。そんな情報共有の仕組みを構築しようと、DXに取り組み始めました。
企画制作の資料を個人のパソコンのフォルダー内にとどめないようにしたいですし、当社の業務は制作を外注する比率が高いんです。その進行管理が大変なんですね。クラウドなどに情報を集中させて、一括管理できるようにしたいと考えました。
営業がクライアント先で案件に遭遇しても、過去の実績を共有できていないと、当社で実行不可と思い込み、売上を逃してしまうこともまれにあります。これはもはや死活問題とも言えます」

本事業で取り組んだ作業

「情報管理の社内ルールや、仕分け方が、昔のままで使いにくくなっていました。最初にそこを整理して、いずれは社員へアナウンスして、みんなに使ってもらおうと思っています。そのためのルール作りやマニュアル作りに着手しました。そして、社内全体への説明会などを適時行っていきたいと考えています。
今回、DXを進めていく中で、『情報管理などのルールがなぜ必要なのか? 将来像は何か?ゴールは何か?』といったビジョンがしっかりと描けるようになってきました。そして、アプリやシステムなどのツールを更新する以前に、なぜこのルールが必要かといった、考え方を共有することの方が、重要だった気がします。
一方で、社員全体として見ると、業務改善についての理解はまだこれからだと思っています。情報共有の仕組みを何とか改善して欲しいといった声は、現場からも上がっていたんです。ですから、問題意識はあると思います。そこは、私や中島からのメッセージの出し方に工夫が必要かもしれません。我々が広告業界だからDXが進捗するとかしないとか、そういう業界の特異性は、今回のDX事業から感じませんでした。むしろ、まだまだできる事がありそうです。例えば、情報共有により、人材教育にも役立ちそうだと思っていますし、未来に必要な人材像も見えてくるはずです。そういう意味では、今回のDX事業は当社の持っている様々な技術や知識を蓄える、その器になっていくんじゃないかと思います。
そして、業務負担を圧縮して、働き方の改善にもつながると思っています。先輩たちが取り組んだ業務内容をきちんと保存できれば、『この企画書の項目を書き換えれば、本案件にそのまま使えそう!』なんて機会ができるかもしれません。
営業担当にとって資料作成は負荷の高い業務です。それが過去の資料を上手く活用したり、部分的にAIで制作するなどが可能になる。そんな時代が近づいていると思います。我々は業界で50年以上も事業をしていますが、今、大革命が起きていますからね。
時短面を主にお話しましたが、広告業界は勉強が必須の時代です。制作物も大きく進化しています。営業、制作、そして経理や総務も含め、当社には進化が必要です。
営業面で言えば、当社が目指すべき姿はコンサルティング営業かもしれません。イベントもそうですが、広告メディアだけでは売上拡大につながらない時代に突入しておりまして、クライアントが考えているのが、例えばメディア以外のイベントであったり、また別の話であったり……そういった時にクライアントの一番そばに居る我々がしっかりと対応してきた結果が、多分今の状態だと思うんですね。
プロジェクトを上手に管理する力であったり、うまく実現する力であったり、あるいは人脈やネットワークであったり……クライアントが抱える課題を解消・実現できる。そういう会社になりたいと思っています。“課題解決できるパートナー”みたいになりたいですね。

今後の展望

「今回のDX事業で行いたいことを洗い出した時、実は社内のシステムで実行できることが整っていたのが、大きな気づきでした。実は、すでにやれていたのだけれど、みんながやり方を知らなかっただけだったというのが、一番大きな気づきでした。特に、総務ではシステム的に不満なく業務できる環境でした。なので、営業や制作の負荷をちょっと下げるのが、佐賀広告センターの課題だと思います。
経理のシステムも進化していくと思いますが、当社ではちょっと難しいかな?って思っています。例えば、請求書を発行する際に、電子で統一できたら一番いいんでしょうけど、すべてのクライアントが電子で発行できるかというと、難しい部分でもあります。
今回のDX事業に携わりましたが、時間が短かったなと思いました。ほかにもまだまだ見えてくることがありそうです。そして、今後はDXや業務改善の考え方を文化として当社に根付かせていかなければならないと思っています。そのためには、社員が業務改善に取り組む場合、きちんと評価する仕組みも考えなければならないと思っています。


(企業概要)
企業名:株式会社佐賀広告センター
住所:〒840-0815 佐賀県佐賀市天神三丁目2番23号
事業内容:広告に関する企画および制作/新聞/テレビ/ラジオ/雑誌/Webなど広告媒体の取扱い/印刷物/サイン/交通広告/イベント・プロモーションの企画制作など

R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社ワクフリ

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