
DXプロジェクトをきっかけに、経営との情報共有も活性化!
提供:株式会社ナンキュウ
RYO-FU BASEでは、県内企業に対するDX の取り組みの一環として、DX アクセラレーターとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、株式会社ナンキュウの取り組みについて、中村様と藤吉様にインタビューしました。
1.DXを進める理由
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DXアクセラレータ
はじめに、貴社の事業概要を教えてください。
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中村様
株式会社ナンキュウは、建設業のコンクリートポンプ圧送業を中核事業として、古物売買、特殊車両販売、板金塗装といった事業を展開しています。最近は、新規事業としてアートギャラリー部門を立ち上げました。
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DXアクセラレータ
幅広く事業を展開されているのですね。
DX 伴走支援事業に参加を決めた経緯をお聞かせください。
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中村様
佐賀県産業振興機構のRYO-FU BASE から声を掛けていただいたことが、DX 伴走支援事業を知ったきっかけです。ただ、当社には相談できるIT エンジニアがおりますし、一般的な中小企業よりはDX関連の知識があると思っていたため、当初はあまり必要ないかと考えていました。一で、自社で進めているDX の取り組み以上に、外部専門家の視点で何かできることがあるなら知りたいという興味もわいたため、参加することを決めたのです。
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DXアクセラレータ
それまで、自社ではどのようなDX 化の取り組みをしていらっしゃったのでしょうか?
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藤吉様
私が担当する古物販売事業では、データをもとに売買をすべく、私が独自の仕組み( 通称「フジヨシステム」)を構築していました。以前は、営業が属人的な肌感覚で売値を決めていたのですが、仕入値と原価データから適正な売値を設定するために始めた取り組みです。
ほかにも、コンクリート圧送業の売上を、以前はExcel で一件ずつ入力していたものを、ACCESS を活用してPDF でレポート出力できるようにしました。さらには日々の売上を管理しやすいよう、インフラ周りから見直してクラウド化を進めていたのです。
2.DX伴走支援の内容
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DXアクセラレータ
DX 伴走支援事業では、ビザスクのデータベースから専門家を何名か紹介して1 人に決めていただきました。その理由をお聞かせください。
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中村様
一番の決め手は、専門家の方のキャラクターです。堅苦しくなくユーモアがあり、言葉もわかりやすく、親しみやすい方でした。実は面談前は、少し警戒する気持ちもあったんです。「 素晴らしい肩書きが並んでいるけれど、本当に当社のためになるのか?」と。いざお会いしてみると、中小企業がDX でぶつかりがちな壁など、具体例を交えてわかりやすく話していただき、信頼できる方だと思いました。支援を受ける中でもその印象は変わらず、お願いしてよかったです。
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DXアクセラレータ
もともと、自社内で部分的にDX 化を進めていらっしゃいましたが、実際にDX 伴走支援事業では、どのような支援を受けましたか?
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中村様
解決したい課題があったというよりは、既に進めていたものの他に何ができるのか知りたいという状況でした。そのため、はじめに当社の業務を棚卸しして、専門家の方から「この業務では、こういったプロジェクトのIT 化ができそう」という提案をいただきました。それを一つずつ確認しながら、優先度の高い3 つのテーマを選定。毎週の定例ミーティングで進捗を報告しながらDX 化を進めていきました。
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DXアクセラレータ
専門家の伴走により課題が整理でき、優先順位をつけられたのですね。
3 つのテーマとは、具体的にはどのようなことでしたか?
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中村様
1 つ目は、マニュアルです。それまで明文化された社内共通のマニュアルがなく、業務効率が悪いという課題がありました。こちらは、Notionで藤吉さんを中心に作成中です。
2 つ目は、社内コミュニケーションです。何か連絡があるときは、個人LINE を利用していたのですが、プライベートとの区別をつける必要があると考えていました。過去に一度Slack を導入してみたのですが、思うように浸透せず頓挫してしまったんです。今回の伴走支援でLINE と使用感が似ているLINE WORKS を利用することにして再チャレンジし、活用をどんどん進めています。ファイル共有やグループ設定などがLINE WORKS ではやり易く、これは全社的にも大きな一歩でした。
3 つ目は、問い合わせメールへの対応です。以前は、会社に来た問い合わせメールの対応に漏れがあったり、進捗が見えなかったりしていました。こちらはメーリングリストを整理し、対応の改善に取り組んでいます。
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DXアクセラレータ
3 つのテーマを進めるうえで、苦労したことはありますか?
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中村様
新しいツールを導入するとしても、あまり急激に変えてしまうと現場が混乱してしまいます。そのため、社内への影響度も一つひとつ丁寧に考えながら組み立てていくことが難しかったです。もどかしい気持ちもあったのですが、専門家の方からの「そんなにすぐには変わらないですよ。やはり、人と人とが接するところですからね」という言葉にハッとしました。現場や事業を動かすのは人ですから、簡単に変わるものではありません。根気強く取り組む必要がありますね。
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藤吉様
本業とのバランスに一番苦労しました。私は古物販売事業が主要業務で、DX の専任担当者ではありません。それに、中村と同じく社内の“何でも屋さん”として「フジヨシステム」など色んなことを引き受けています。本当はマニュアル作成ももっと進めたかったのですが、思うようにできませんでした。ただ、Notion の利点をかなり感じているため、これからも時間を作って導入を進めていきたいと思います。
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DXアクセラレータ
今回のDX 伴走支援で、社内にどのような変化がありましたか?
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中村様
ツールを入れたことによる変化は今後徐々に表れていくと思いますが、現段階で一番の変化を感じているのは、社内のコミュニケーション体制の改善です。今回のDX 伴走支援で、専門家からさまざまなことを学ぶなかで、情報共有の大切さを改めて実感しました。そこで、以前は月次で行っていた経営の定例会議を、週次にすることにしました。これにより、情報の属人化やすれ違いがなくなり、業務の滞りが大幅に減りました。細かいことですが会議議事録の取り方など効率の良い方法を教えていただき、目から鱗が落ちる想いでした。
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DXアクセラレータ
経営とのコミュニケーションがスムーズになったことは大きな成果ですね。
改めて、今回のDX 伴走支援事業の感想をお願いします。
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藤吉様
私は学生の頃に情報技術を専攻し、ずっとIT に触れてきましたが、この業界は日進月歩で拡張を続けていますから、新しい情報を集めていくのは大変です。今回DX の専門家に支援を受けることで、自社に合ったツールや情報をいただくことができました。知らなかったことを知れたことで、課題に合ったツールの導入も進み、DX のさらなる加速化に向けた具体的な見通しが立って本当によかったです。
3.会社の将来構想
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DXアクセラレータ
今回のDX化を踏まえ、今後の展望についてお聞かせください。
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中村様
今回のDX 伴走支援で設定した3 つのテーマは継続し、全社での情報共有と業務効率化をどんどん進めたいと考えています。経営との週次定例ミーティングも引き続き実施していきます。そして今後は、藤吉さんと私との情報共有もさらに密にしたいですね。“何でも屋”として藤吉さんや私が抱えて属人化している業務も、今後DX を進めることで、社内の誰もができるようにしようと思います。
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DXアクセラレータ
最後に、DX 伴走支援事業に参加を検討している企業にメッセージをお願いします。
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中村様
「DX 化がうまくいかないのはうちの会社だけかな」と感じている会社は沢山あると思いますが、そんなことはありません。今回お願いした専門家の方は、成功事例も失敗事例も含めて豊富な引き出しをお持ちで、リアルな情報と知恵をたくさん授けてくださいました。そのうえで、自社に合った方法を一緒に考えていけます。具体的なツールの提案だけではなく、仕事の進め方からも学ぶことがたくさんあり、社内の情報共有もスムーズになりました。ぜひお勧めしたいです。
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藤吉様
情報を集めるだけなら、自分だけでもできるかもしれません。でも、調べれば調べるほどわからなくなりますし、ツールも星の数ほどあります。そのなかで、何が自社に合っているのかを判断することは、自力では難しいと思います。今回、専門家から提案をいただけることは貴重な機会になりました。DX に難しさを感じている会社にこそ、専門家の支援を受けていただきたいですね。
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DXアクセラレータ
専門家から色々なことを学び、取り入れていくナンキュウ様の姿勢に感銘を受けました。今後、ツールが浸透することで、業務効率化がさらに進むことを祈っています。本日はありがとうございました!
(企業概要)
企業名:株式会社ナンキュウ
住所:〒 842-0015 佐賀県神埼市神埼町尾崎2038-2
事業内容:生コンクリート圧送業/整備点検・板金塗装業