事例紹介

社内教育のDX次世代スタッフの早期多能工化

提供:株式会社ガルト

佐賀県では、県内企業に対するDXの取り組みの一環として、DXアクセラレータとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、株式会社ガルトの取り組みについて、東島様にインタビューしました。

東島代表取締役

DXに取り組むきっかけと課題

ここ数年、時代の流れに合わせて少しずつ社内のDX推進をしなければならないと考えていました。直近のインボイス制度対策、社員の一元管理ツール、生産成功率アップにつながるツールなど多くのことが頭に浮かんでいました。そのため何から手をつければ良いのか、自社に何が本当に必要なのか頭を悩ませる日々でした。そんなタイミングで本事業について紹介いただく機会があり参加させていただきました。

目的

家具業界はここ数年コロナによる影響を大きく受けており、業界全体で売り上げが伸び悩んでいます。また労働人口が減少しているこの時代においてムリ・ムダ・ムラなく社員1人ひとりの生産効率をどのように上げられるかも企業経営で求められていると考えています。
社内で様々なことのDXに着手したい気持ちはありましたが、今回は家具業界の流れとして生産量が大きく求められていない今だからこそできる生産現場のスタッフ教育に着手することにしました。

多能工スタッフの育成課題

当社では現場スタッフの教育にあたり、メンター制度はなく、作業内容に応じて該当する作業工程を担当しているスタッフが一時的な教育係となる仕組みをとっていました。また生産現場ではベテランスタッフが多く活躍しており、教える側(X世代)と教えられる側(Z世代)の年齢ギャップも年々大きくなっていました。
ギャップが大きくなることで学習スタイルの違いによる意思疎通やスキル取得方法の違いによって1名の多能工スタッフの育成に2年もかかってしまうことが課題でした。また外国籍スタッフの対応なども付随する課題に挙げられました。

課題解決に向けた取り組み

動画マニュアルツールの導入

5つのSaaS型(Software as a Service)のツールを候補に選び、各ベンダーと打ち合わせと導入デモを実施。料金や機能性、操作性などの評価項目をリスト化し5つのツールの比較を行いました。またツールは導入だけでなく活用し続けることが重要です。
そのため導入後のベンダー側からの運用支援ミーティングの回数や開催頻度についても重要な評価項目として設定しました。

動画マニュアル「Tebiki」とは・・
普段の業務やOJTをスマートフォンで撮影するだけで簡単にマニュアル作成が可能。
字幕の生成や外国語の翻訳も自動的に行われます。上司への確認と承認も「承認フロー」で申請の手続きもかんたん。動画公開後は、誰が見たか/見ていないかも確認できるため教育の管理も一元管理可能に。

②IT導入補助金の活用

T導入補助金の通常枠へ12月に申請し1月に採択を受けることができました。補助金を活用させていただきながらTebikiを最大限利用させていただく予定です。

課題解決に向けた取り組み

工場内で見たい時に見たい製品の作業工程をタブレット上で確認できるようになる
字幕やAI読み上げによって国籍に関係なく母国語でのマニュアル閲覧が可能になる
生産チーム主体で動画マニュアルを更新しノウハウ蓄積と可視化
学習管理機能によるユーザー単位の学習頻度の可視化

今後の展望

直近1年間は育成期間の短縮が目標

まずはこれまで2年かかっていた多能工スタッフの育成期間を1年間に短縮することを必達目標として動画マニュアルの制作と運用を推進する予定です。
2年目は過去事例などの共有コンテンツの制作を進めながら、生産現場以外で全社的な動画マニュアルの運用を目指します

2年目:直営販売店で商品説明に活用

ソファやテーブルの配送やメンテナンス方法の紹介動画を制作し購入いただいたお客様にご覧いただこうと思っています。
口頭でのご案内では分かりにくかったり、忘れてしまいがちな初期説明についても動画コンテンツ化することで、より当社の商品がお客様にとって身近な存在になれることを期待しています。
不定期で日当たり500名以上のお客様が来社するイベント企画運営しています。ここ数年は特にご好評いただき駐車場が満車になるほどの数のお客様にご来場いただいています。
運営スタッフのマンパワーが足りなくなることもあるため、お客様への案内動画等の人手不足を解消しながらもお客様満足度が上がるような施策を計画していきます。


変革は社内一丸となって取り組む

今回の動画マニュアル導入による生産スタッフの育成のみならず、今後も生産効率アップや更なる付加価値創造のため考えられる施策は試していく予定です。
本事業を推進するにあたり、ツール選定における評価ポイント、デモの進め方、ベンダーとの交渉など参考にするべきことも多く吸収させていただきました。
今回のツール導入において、当社の課題抽出のタイミングから現場社員がプロジェクトに参加してくれたことも大きく関与し、常に社員主導で本事業を推進することができ活発な意見交換ができたことはとても嬉しく思っています。
課題の内容や深さによって、ということはあると思いますが本事業に参加をご検討されている企業様は是非社内一丸となって取り組むべき課題であるか、という点も課題抽出の際にご検討いただくと良いのではないかと考えます。
今後当社はよりお客様、地域に愛される企業であることはもちろん、社員からも愛され続ける企業を目指し、事業運営していきたいと考えています。


(企業概要)
事例企業:株式会社ガルト
住所  :〒842-0053 佐賀県神埼市千代田町直鳥1736-2

事業内容:家具デザイン・製造・輸入を行うメーカー

R5年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社BottoK

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