
マーケティングDXへの挑戦 ~ToB事業からToCへの進出~
提供:株式会社EVERFOOD
RYO-FU BASEでは、県内企業に対するDXの取り組みの一環として、DXアクセラレータとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、株式会社EVERFOODの取り組みについてインタビューしました。

代表取締役/倉橋正己
DXに取り組んだ背景
まずは、御社の企業概要を教えてください。
当社は飲食店や高級ホテル、百貨店、スーパー等の企業に対して自社で企画製造した食肉加工品の販売事業を行っています。大学を卒業後、畜産関連の商社で大手食品会社等へ開発型の食品提案を行う内に、自身で独自の食品を開発したいという思いから創業に至りました。今では、生ハムの種類(牛、鶏、豚)、販売方法に応じた形で、九州・山口地方の工場と契約を結び、要望に応じた食品を企画しています。企画力には定評があり、当社の取引先にはハイエンドな食品を扱われる企業が多く、きっと皆さんもご存じのお店やホテル等もあると思います。
本事業でDXに取り組む以前に、感じていた課題はありましたか?
当社の企画した【鶏生ハム】【和牛生ハム】の商品は、開発当時、世界で初めての生ハムでした。例えば、「佐賀県産和牛生ハム。」は原料と製法にこだわり、和牛の赤身肉の味の濃さと脂の甘みが楽しめます。ヨーロッパの生ハムは塩分が8~10%ありますが、当社の和牛生ハムは2~3%の低塩分に抑えた生ハムです。低塩分にするためには塩抜き工程が必要で、手間はかかりますが、その分、健康に留意されている方にも、楽しんで頂ける生ハムで自信作です。
実際にふるさと納税等で消費者向けにも販売はしてきましたが、当社の事業の中心は法人向けの販売事業。中々、消費者向けの販売に注力できていなかった一方で、法人向けでもあったため、「知る人ぞ知る」存在でした。
今後の事業展開を考えた時に、一般消費者向けの販売やブランディングは必須だと考える一方で、社内にノウハウや得意な人材がおらず、どうしてよいかわからない状況でした。
JICUからのDXアクセラレータ参加打診に応じた理由を教えてください。
JICUの水田君、橋本君は鳥栖でコンサルティング業を行っており、元々知っていた存在であったこと、当社の事業の可能性を信じ、強く応援してくれる姿勢だったことから、一緒に新しい挑戦をしてみたい、と考え打診に応じました。また、Ryofu-BASE(以下「RFB」)の村上さんは、村上さんが佐賀県庁に在職時から様々なプロジェクトでご支援をいただきました。自分がちょうど新たな展開を考えていた際に、村上さんが所轄している事業のお声掛けをいただいたことも、何かの縁を感じていました。
課題解決に向けた取り組み
本事業で取り組んだことを教えてください。
まずは、現状や将来の構想を説明しながら、課題の分解や長期的な構想をロードマップに落としていただき、最初に取り組むべき内容として自社ECを構築することを決めました。まずは足元の実績を作りながら、長期的には自社で工房を持つことも視野に入れています。
自社ECは元々Shopifyで構築していましたが、運用が自社で中々難しく公開さえ出来ておりませんでした。そこで、より更新がやりやすく、料金プランも手数料のみとシンプルなBASEに移行を決め、アクセラレーターと共にBASEで自社ECを構築し、2024年11月に公開することができました。
外部人材を活用したSNS運用にも取り組まれましたね。
自社の従業員のリソースの中では、自社でSNSを活用したいと思いつつも、中々出来ておりませんでした。そんな中でRFBが運営している事業、「Saga Smart Terakoya」の中に、DXやマーケティング系のフリーランスを抱えていると聞き、アクセラレータに相談して、募集してみました。
鳥栖在住の矢羽田さんよりご応募をいただき、「肉好き主婦のアカウント」として、お肉に関する身近な疑問等、消費者が接点を持ちやすい情報を発信してもらいつつ、当社の生ハムについてもご紹介をいただいております。
DXに挑戦して良かった点、苦労した点を教えてください。
良かった点は、背中をだいぶ押して貰いながら(笑)、自社ECの立上げと認知獲得のためのSNS運用をスタートさせることができたこと。苦労した点としては、まだ立ち上げ段階のため、認知も取れておらず矢羽田さんと共に試行錯誤を続けています。
アクセラレータやRFBの方でFacebookやX等で周知をしてくれたり、プレスリリースを制作し、拡散を協力いただいたり、本当に助かりました。当社の生ハムは自信作なので、是非一人でも多くの皆様に食べ欲しいです。
本事業を終了して
本事業に参加し、DXに取り組んだことで、どのような変化がありましたか?
販売会や展示会に出展した際に、これまで「どこで買えますか?」とよく聞かれていましたが、自社ECが立ち上がったことで、案内が出来るようになりました。また、外部人材を中心にToC向けのマーケティングチームが立ち上がったことで、今後はECの取扱い商品を増やしたり、イベント等、多くの仕掛けができるようになるのでは、と楽しみにしています。
今後の展望を教えてください。
第一歩として、ECを立上げToC向けの販売をスタートできましたが、将来的には、自社の製造工程を特許化して、独自性を高めたり、工房を作り、より自由に食品を企画製造販売したいと考えています。佐賀県にはこれまで本当にお世話になってきましたので、より創作活動を充実させることで、「佐賀にEVERFOODあり」と強い存在感を出していきたいと思っています。
最後に本事業に参加された乾燥やご意見をお願いします。
正直言って最初は【DX取り組みましょう】の意味がよくわからず、関係者が集まったMTGで、一人ポカンとしていていました。ネットで検索してもDXとは分かったような分からないような・・
その状態から当社の会社概況、商品概況を水田さんに話していく中で、現状の問題点や不足している情報などを浮き上がらせていただきました。その後、その対策に一つとして今回の取組みに挑戦することになりました。解決策は色々あるのでしょうが、相談に乗ってもらいながらムリなく取り組める策を提案貰い大変助かりました。
DXアクセラレータからのコメント
佐賀発、全国に誇れる食肉加工の企画と技術力を持つEVERFOOD様のToC展開を支援させてもらえたことを本当に嬉しく思っています。私のおススメは鶏の生ハム。鶏の生食という初体験に感動すること間違いなしです。是非ECで購入して味わってみてください。
(企業概要)
企業名:株式会社EVERFOOD
住所:〒 841-0051 佐賀県鳥栖市元町1246-3
企業内容:食肉加工品の企画販売
R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社JICU