事例紹介

設計現場のDX化で、他社と差別化。 さらなる事業の可能性を切り拓く!

提供:株式会社新成⼯務店

DXアクセラレーター事業で伴走支援を受けられた株式会社新成⼯務店の取り組みについて、代表の⼩森様にインタビューしました。

DXを進める理由

DXアクセラレーター

はじめに、貴社の事業概要を教えてください。

小森様

当社は、「古⺠家など歴史的建造物を100 年後の⼦供たちに残したい」という理念のもとに、空き物件や古⺠家の耐震化や防災のためのアドバイス、意匠・構造・設備の設計を担っています。

佐賀県の⽊造住宅の耐震診断・耐震設計を実施できる事業者「佐賀県⽊造住宅耐震診断登録建築⼠」に認定されています。

DXアクセラレーター

もともと、DXに興味をお持ちだったのでしょうか。

小森様

はい。基本的に1人で事業を運営していることから、以前よりデジタルツールを用いた業務の自動化や効率化を積極的に進めていました。

DXアクセラレーター

具体的には、これまでどのような業務をDX化していらっしゃったのですか?

小森様

主にバックオフィス業務をデジタル化しています。取引先の施工業者さんとのやり取りは、基本的にチャットを活用していますし、施工管理アプリを導入して写真や工程表の共有はすべてアプリ上で実施しています。
ほかにも経理関係は会計ソフトで税理士さんとも連携するなど、ほぼすべての業務をペーパーレスで実施しています。

DXアクセラレーター

DX伴走支援事業に参加を決めた経緯をお聞かせください。

小森様

デジタルツールの活用によって、業務効率化はかなり進みました。そこで次の段階として事業のさらなる発展のため、より高度なDXに取り組みたいと考えていたのです。
そんな時3Dスキャナを知り、現場の業務DXにつながるのではないかと興味を持ちました。
ただ、商品選定や現場での使用方法など、自分ひとりで進めるのには不安がありました。
そこで専門家に相談したいと思っていたところ、DX伴走支援事業を知り、すぐに申し込みました。

DXアクセラレーター

3Dスキャナに、どのような可能性を感じられたのですか?

小森様

3Dスキャナを活用すれば、人の手を使わなくても測量ができ、業務を効率化できます。さらに、歴史的建築物の情報を紙ではなくデジタルでデータ化することができれば、劣化の心配なく長期保存ができます。
それはまさに当社のビジョンである「歴史的建造物を100年後の子供たちに残したい」を実現できる技術ですから、取り入れたいと思いました。

DX伴走支援の内容

DXアクセラレーター

今回のDX伴走支援事業では、どのような支援を受けましたか?

小森様

専門家の方のマッチングをしていただき、商品選定や活用方法などのアドバイスをいただきました。また、事業拡大や顧客開拓の方向性についても有用な示唆をいただきありがたかったです。

3Dスキャナについて知識を得られただけではなく、将来に向けて視野が広がりました。

DXアクセラレーター

ビザスクのデータベースから専門家を何名か紹介して1人に絞っていただきましたが、決め手となったポイントを教えてください。

小森様

3Dスキャナに対する知見を最も豊富にお持ちの方だったからです。
施工現場の管理をしていたご経験もある方のため、業務知識に基づいた使い方のアドバイスもいただけるのではないかという期待をして選定しました。
また、知識をひけらかすことなく、丁寧な物腰でコミュニケーションも取りやすい方であったことも決め手になりました。

DXアクセラレーター

商品選定では、どのようなことを相談したのでしょうか。

小森様

事前に色々と調べて、ある程度商品は絞り込んでいました。しかし、初めて使うものなので本当にそれでいいのか、自信が持てなかったのです。
専門家の方に客観的な情報をいただくことで、軽量で持ち運びの手間もかからないことや、手持ちのタブレットを併用することで、3Dスキャナ以外の初期投資があまりかからないことも分かりました。他の商品との比較もしましたが、最初に決めていたもので十分だと確信することができました。

DXアクセラレーター

専門家の知見を取り入れることで、納得できる商品選定ができたのですね。
現場での使用方法など活用方法については、どのようなアドバイスがありましたか?

小森様

現場での具体的な使用方法はもちろん、建築業界以外での可能性についても教えていただきました。
3Dスキャナは汎用性が高く、たとえば造船業界などにも需要があるそうです。しかし、今の段階ではまだフルに活用できている会社は少なく、参入できる可能性があるということでした。
当初ほかの業界は視野に入れていなかったため、新たな発見でした。

DXアクセラレーター

単なる使用方法にとどまらない、事業拡大の可能性に向けたアドバイスもあったのですね。

小森様

はい。ほかにも、どのように顧客開拓をしていけばいいのか、マーケティング戦略的な面でもアドバイスをいただきました。
私ひとりでは、どうしても建築士会など建築業界団体をアプローチ先として考えてしまいます。しかしそれでは、異業種の顧客を開拓することができません。
そこで専門家の方には、「商工会議所などにアピールをした方が、建築業界に限らず様々な業界の事業者とのつながりができますよ」と教えていただきました。
まずは建築業界で実績を積んでからになりますが、今後も視野を広く持ち、顧客の幅を広げていこうと考えています。

会社の将来構想

DXアクセラレーター

今後の展望についてもぜひお聞かせください。
まず、DX化により目指す姿をお話しいただけますか?

小森様

5人分の仕事を1人でできるように、AIなどのテクノロジーをどんどん取り入れていきたいです。

たとえば現場にカメラを設置して、その作業状況をAIが読み取り解析することで、材料搬入や次の工程のタイミングを協力会社に発信するなど、リアルタイムで状況を判断して先回りしてアクションを伝える仕組みができると、またひとつ効率化できるのではないかと考えています。

DXアクセラレーター

3Dスキャナの実績を積んで他業界にも事業を拡大していくというお話もありましたが、他にこれから挑戦したいことがあれば教えてください。

小森様

これまで私がDX化を進める中で得られた知見やノウハウを横展開できないかと考えています。
労働人口が減少するなかで、業務の効率化や省人化を進めたいと考える事業者は増えているはずです。特に建築業界は少ない人数で事務所を構えている人も多いと考えています。
そうした課題を抱える方に、アドバイスを行う事業を始めたいですね。

DXアクセラレーター

最後に、DX伴走支援事業の申し込みを検討している企業に、メッセージをお願いします。

小森様

悩むよりも、まずは応募してみてください。
専門家に伴走をいただくことで、単なる業務のデジタル化にとどまらず、事業の可能性を広げることができるはずです。
そして佐賀県DXアクセラレータ事業に採択されるということは、会社の価値も上がることになりますから、お勧めしたいですね。



〜〜支援専門家からのコメント〜〜

建築物、土地の3D化及び工務店業務のDXについて支援させて頂きました。
具体的には3Dスキャンの導入、撮影ノウハウ、事業化後の販売戦略などを実体験をベースにコンサルティングを行いました。
建築・建設業は昨今のITに関して、非常にレガシーな業界です。
新成工務店様は業務改善、DXへ明確な意識を持って取り組まれており、支援の中でお伝えした内容をご活用された事業推進を確信しております。
支援専門家  株式会社utsuroi 代表取締役 木原 舜一 様

(会社概要)
会社名 :株式会社新成工務店
住所  :〒849-0922 佐賀県佐賀市高木瀬東2丁目4番13号
事業内容:空き物件・古民家の利活用におけるアドバイス及び設計・施工


R5年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社ビザスク 

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