事例紹介

DXで描いた経営戦略を実現するための人事DX

提供:株式会社セリタ建設

佐賀県では、県内企業に対するDXの取り組みの一環として、DXアクセラレータとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、株式会社セリタ建設の取り組みについて、芹田様にインタビューしました。


芹田代表取締役

DXに取り組むきっかけと課題

DXの取り組みとしては、10年以上前からSalesforceを導入し社内のデジタル化を積極的に推進してきました。その結果経常利益は20%まで高まり、事業変革に繋がる攻めのDXを実施してこれたと思います。
一方、組織が変革していく中で人事評価制度との連動など「人」に関わる部分の内部整備が追いついておらずどう進めていくかを悩んでいた時に本支援事業を知り応募しました。

目的

これまで紙や手作業のアナログで行っていた各業務の改善は、10年以上前からSalesforceを導入し積極的に行ってきました。事業の売上を改善し業績も向上し、デジタルマーケティングを活用することで新規顧客獲得にも注力してきました。
結果として、外部に対する発信力も向上し事業としては順調に成長を続けています。
しかし、事業を推進していく中で事業戦略と組織を紐づけていくための活動がうまく回っておらず、改めて人事評価制度の再設計やキャリアパスの設計を見直すことにしました。

課題解決に向けた取り組み

人事評価制度の再設計

まずは、既存の人事評価制度の問題点を洗い出すと、以下の課題が見えてきました。

・等級の職能要件の再設定
・等級に必要な資格の整理
・昇格、降格の基準が明確化
・等級と連動した賃金テーブルの見直し等

 

先述の課題に関して、今まで自身の頭の中ではイメージとしてありましたが、具体的な概念化/言語化を行っていませんでした。まずはこの概念化/言語化を実施し、最終的に既存の人事評価制度をブラッシュアップした形で、社員に対する説明資料まで落とし込むことを本支援内で実施いたしました。

新人事賃金制度の概要資料

人事評価に関する面談を年3回行っていますが、面談後の集計作業はアナログで行っている業務も多く4~5日集計関連の業務で稼働しています。この業務改善に向けて、直近2~3年の評価を一括管理でき、個人のフィードバックまでを行えるような、評価システム導入の検討を進めるための要件整理を面談を通じて実施しました。

人事評価集計の流れ

勤怠管理システムの検討

また、建設業については、20244月から以降は原則として、時間外労働の上限が月45時間・年360時間までとなります。この時間外労働の上限規制に伴い、賃金の見直しと同時に勤怠管理システムの検討も実施しました。
多角的な情報を集めるためBottoK社へも相談を実施し、提携社労士との面談を通じて、勤怠管理システムに関するディスカッションを行いました。
最終的には、自社の顧問社労士へディスカッションの旨等をフィードバックし、時間外労働の上限対策を行う方向性を見つけることができたのは一つの収穫です。

DXの共催セミナー開催

DX共催イベントのバナー

佐賀県庁職員の方も複数回面談の中で同席いただき、これまで自社で行ってきたDXの取り組みについてお話ししてきました。
3社間の面談の中で、佐賀県内の企業に対して部分的な業務改善ではなく、経営としてDXをどう捉えてきたか?経営者の仕事とは?をより具体化し、経営の根幹からデジタルを考えるきっかけを創出するため、共催オフラインイベントを開催しました。今後も自社が取り組んでいるDXの事例や組織への考え方を情報発信し続け、自社認知の拡大、また佐賀県内事業者のDXへの意識向上に一役買えればと考えております。

DXイベントの様子

今後の展望

DXを通じて、業界を、地域を変えたい

会社として「戦略ビジョン2050とデジタル技術の活用の方向性」の中で大きく2つの目標を掲げております。
1つ目は、情報のレスポンスを最適化することです。建設は多工程で属人的です。この部分は変わらない、変えれない領域ですがその中でもアナログなステップが多く情報が欲しい側と提供する側のギャップが生じています。
ここをDXで、無理や無駄、ムラを少なくし仕事の生産性と魅力を高めていくことへ挑戦します。

2つ目は、情報の格差を無くすことです。建築業界の価値を上げるための、情報プラットフォームの立ち上げを予定しております。そこでは、建設エンジニアのスキルアップとキャリアアップを促すための情報提供を進めてき、建設業の従事している方の情報格差を無くすことで、ベースアップとなり、建設業で就労するための魅力をあげていくことも必要と思っています。

情報のミスマッチや情報ギャップを解消し、属人情報の相互利用に向けたプラットフォームをつくり情報格差を是正していくことで、 建設業で、地方で、楽しく働く人の和を繋げるのが、セリタ建設のミッションです。

ミッション体現のためにも、経営戦略に紐づいた人事領域のDX推進を今後より強化していきます。


(企業概要)
会社名 :株式会社セリタ建設
住所  :〒843-0002 佐賀県武雄市朝日町大字中10153-4
事業内容:総合土木工事業、地盤改良工事、環境配慮型工法

R4年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社BottoK

事例紹介(PDF)を見る 

事例紹介一覧へ戻る