事例紹介

農業生産企業の挑戦~人材育成と未来の収穫~

提供:株式会社サガンベジ

2010年より農薬、化学肥料、除草剤等、化学物質を一切使用しない栽培方法で有機農産物「サガンベジ」を生産販売し、「安全で高品質の有機野菜を安定供給」をモットーに事業を展開している。新たな圃場が稼働するのに伴い、情報の管理と人的リソースに課題を感じていた。2カ所それぞれの収穫量などをITツールでリアルタイムに管理し、組織全体でデジタル人材になる事を目指した。

園田代表取締役 

なぜDXに取り組んだのか

煩雑な作業の簡素化で業務バランスを整える

——本事業に参加した経緯

事務作業が煩雑になっていた為、デジタル技術の活用を考えていたんです。受注から、納品書を作り、請求書を出すところと、栽培の方でも記録管理が存在していて、エクセルとかが何個もあって、それを一つに出来ないかというところで悩んでいました。現状の把握も日々の業務が忙しくて、なかなか出来ない状態でしたので、専門の方にアドバイスを頂けるという事で事業に応募しました。


——DXの目的とは?

日々の業務が私に集中していて、現場作業も私が入って指示を出すみたいなところが多いんですよね。そこら辺のなんて言うか、組織・体制作りという部分とリーダーとなる右腕を作っていくみたいなところもやっていく為に、デジタルツールを活用しないと解決しないと思っています。デジタルを活用して、業務を効率化することで時間が生まれるので、その人材教育を行う為にも、DXが必要なんじゃないかと思っていますね。

——これまでの取り組み内容を教えてください。

2、3年前から煩雑な情報管理に課題を感じていて、システムの導入を検討していました。佐賀県産業スマート化センターにも相談をして、これまでに10社近くツール提供業者さんとも面談しましたが、具体的に何かを導入するなどには至っていませんでした。業務で使うシステムが多くなりすぎるのも嫌でしたし、分かりやすくて扱いやすい物がよかったので、大がかりな物というよりは、クラウド上で操作が出来るツールだといいなというイメージはできました。新たに圃場も2022年の夏から開いたので、場所にとらわれずにどこからでもデータが入力できる体制を作りたいと思っていました。

人材教育スケジュール

——支援を通して良かった点と苦労した点を教えてください

良かった点としては、約半年間の支援で、それこそ業務フローを洗い出して、業務の棚卸を行うことが出来ました。社内の体制自体も、まだ完璧にできたわけではないんですけど、ある程度の形にする事が、伴走頂いてできました。社員に共有する資料もできて、進め方の形もできて、教育・育成のマニュアルもできていて、研修スケジュールみたいなやつも作って、それを見せながら育成して行くみたいなところです。次進んでいくステップの礎をこの事業内で作り上げる事ができて良かったと思っています。苦労した点としては、特にはないですね。私も社員もスマートフォンやパソコンなどを日々の生活で使っているので、特に抵抗やストレスもなく進める事ができました。不安な点としては、これまでとは違う運用になり、やり方も変えることになるので、実際の運用が始まったあとに社員みんながスムーズに移行ができるかなというとこですね。


——キントーンを導入した経緯と期待する効果を教えてください

煩雑な作業を簡素化するという点でいうと沢山のツールがありますが、その業者さんだけしかできないようなシステムになってしまうと、コストや時間が余計に掛かっていくみたいなところもあったりすると思うんですよね。また、業者さんの付きっきりになってしまうのも、修正したい時などの選択肢が狭くなってしまうので、どこに頼んでも見てもらえるような汎用性の高いやつを入れたいと思っていました。そこで辿り着いたのが、キントーンです。キントーンであれば、その中でアプリケーションを作ることができますし、ある程度なんでもできるというか、やりたい事が集約されるので管理も楽になると思っています。また、導入した後からでも、いつでも修正・手直しが出来るところが良いと感じています。期待する効果としては、全体的に見た作業の効率化ですね。これまでは、圃場と事務所で記録書に各自が入力をしていたんですけど、それを現場でその都度、二カ所に分かれているんですけど、クラウドなのでどこからでも、それぞれ現場から入力できるという場所に限定されない事も魅力です。社員もある程度環境が整備されれば、これまでの業務が簡素化されますので、働きやすくなると思っています。一旦は、導入する会社さんに見てもらいながら活用の支援をして貰う予定なのですが、将来的には、自分でも使いこなして、いろんな細かい修正もおこなえるようになりたいと思っています。

株式会社サガンベジが思い描く未来とは?

——今後の展望

社内の体制を作る事ができて、デジタルツールも導入の部分までいく事が出来ました。これまで、紙などの書類が本当に多くて、手書きのやつを全部パソコンで後から入力して行くみたいな、その二重の作業が非常に多かったんです。今後は、キントーンを活用しながら、ペーパーレスも同時に進めて、DXのみならず、GXの観点からも進めて行きたいなと思っています。同時に進める事ができれば、ある意味対外的にもアピールポイントになりますし、魅力のある会社にもなるんじゃないかなと思っています。ここからは、導入するキントーンを使い込んでいきながら、業務の効率化を図っていくフェーズに移っていくと思っています。社内の体制もできて、作業の効率も上がっていって順調に行けば、働く社員も増やさないといけなくなります。それに合わせて売り上げも、もっと上げていかないといけないと思っています。それができた時に、私の時間も作ることができれば、社長業というか、そこにはまっていくべきだと思っています。その後は、資材の方で不安定な部分もあるので、肥料とか原料を自分たちで調達できるような態勢にできたらと考えています。その結果として、安定した供給をやっていきたいなという風に思い描いていますね。時期としては、これから、3年から5年の間にはしたいなと思っています。


R4年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社フォーバル九州支社

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