
対外的な広報戦略によって効果的な集客のための戦略の実現へ
提供:有限会社大望閣
唐津市で旅館業を営む有限会社大望閣ではデジタルを活用した集客手段として今回の支援を受け、SNSの活用やプレスリリースの実施やDX認定に向けた取り組み等、外部に向けたDXの取り組みを実施しました。
今回の支援に参加したきっかけは何ですか
元々、唐津上場商工会議所にて主催されていたSNS塾でSNS活用術を学んだことをきっかけに、集客を目指した広報活動としてSNSの取り組みを実施しており、本事業への案内があった際にDXの一環としてメディアを活用した広報活動の施策の1つとして取り組んでいきたいと考え、今回の事業への参加を希望しました。
今回の支援前のDXの取り組みはどのようなものがありましたか
今回の支援を受ける前までもグーグルビジネスプロフィールへの画像の投稿等は実施しており、SNSも活用も実施をしたいとは思っている状況でした。ですが、フォロワー数の伸ばし方や投稿の内容等が定まらず戦略的活用に向けた取り組みができていなかったほか、操作方法等の基本的な部分でわからない点があり「誰に聞いたら良いのかわからない」といったような状況がありました。
また、個人としてはDXに対して取り組みたいという気持ちはあるものの、社内で言うと従業員の年齢の幅も大きく、デジタルへの理解がなかなか深まらず『DXをすることでなんの成果があるのか』という固まった考えがあり、理解がないスタッフもいる状況でデジタルを取り入れた取り組みを自分たちだけで進めることは難しい状況でした。
今回の取り組みにて実施した内容に関して教えてください
インバウンド向け集客及びメディアへの発信と集客をテーマに、今回の取り組みではプレスリリースの活用やSNS(主にInstagram)の活用を実施しました。
支援の中では実際の発信方法や発信内容、顧客の方々の反応等を細かく分析し、ベンチマークとなる企業を決めたうえで、各項目を比較し、どの部分を改善していけばよいのか、具体的な分析と改善を実施しました。
これらのSNS広報の基礎となる部分を整えて、広報施策を実施し、また、操作方法やプロフィールの整備、DMの活用等、SNSの活用のためのノウハウを学び、整えていた中で別途参加していたインフルエンサー関連の事業を活用し、フォロワー数に関しては987名から1575名、と160%増を実現することができたほか、売上としても実際に向上を実現することに成功しました。
また、インバウンド向けのハッシュタグを活かした投稿やインバウンド向けを意識したコンテンツ発信も実施したことで、実際に数値としてインバウンド向けでの月間集客平均213%増と、効果がみられ、分析を活かして検索にかかりやすいようにする取り組みやターゲットの目にとまりやすいようにする取り組みは重要であると実感しています。
今回の支援で特によかったと感じる点はどのような点ですか
支援の内容に関しては実際に数値等も伸びており、大満足です。一番よかった点としては『なんでも気軽に聞ける』といった点がありました。Instagramはもともとダウンロードしているけれども操作方法や投稿方法等、基本的な内容でわからない点も多く、誰に聞いたら良いのかわからない、誰にも聞けないような恥ずかしいような疑問が多くありました。今回の支援の中でこれらの基本的な使い方から詳しい使い方まで「なんでも気軽にわからないことが聞くことができる環境」はとてもよかった点であり、SNSで実際に投稿をしていくことで、目に見えるように数値として集客における改善や変化が見えたのもよかった点です。
また、社内での従業員の年齢層が高齢化している現状もあり、DXやデジタルといったものに対する抵抗感があります。その中でCMを打つように実際にSNSで集客ができ、社内で数字が見えるようなデジタルを活かした成功事例を作ることができた事は、とてもいい機会だったと感じています。
10年後、20年後はDX社会が当たり前であることを見据え、まずはスマートフォンからでも始めるようにデジタルを使わないことには、デジタルを理解してもらえないので、デジタルを活用して海外や今まで情報を知りえなかった方々にまで情報を届けていけるような「成功事例や効果を実感すること」「効果を知ること」が最も重要であり、自社にて今後活かしていきたい事の1つです。
また、イベント出展を実施するための投稿も今回の支援の中で実施し、投稿に保存等がつき、見てもらえるようになったこともSNS活用の大きな利点を感じた取り組みの1つでした。
従来のようにイベントへの出展や季節の料理についての広報をアナログで実施する際には、各顧客へダイレクトメッセージを送信する必要がありました。ですがこのアナログのやり方では工数やコストが莫大にかかってしまいます。今回のようにSNSやプレスリリースを活かして効率的にメディアを活用して広報活動を行うことは、この点でも有効だと感じることができました。
支援の中で難しかったことは何ですか
今回DXを進めるにあたり自社のブランディング等へ活かしていくことができるDX認定のための取り組みも行いましたが、このDX認定のための申請が難しい部分が多かった点ですが、今回の支援にて第3者の視点として取り組みの整理やホームページ等への必要内容の掲載のアドバイスをもらえたことで今回申請を実施することができました。
今後、DX等を進めるにあたって、今回の支援は良いきっかけとなると考えており、DXは進めていきたい一方で、人手不足は大きな問題となっており、部屋があり、予約も埋まっているにも関わらず、現在の人員では部屋を開けることができないのが現状です。タイミー等の非正規での雇用は接客業としての質を保つ面でも難しく、正規の雇用を増やしての体制構築やDXの取り組みに関しては、繁忙期が落ち着き、まずはフォロワーを増やしていくことから始めていきたいです。
今回の支援の効果について
今回の支援での効果としてはフォロワー数588名の増加(160%増)と昨年同期対比でのインバウンドでの月間での宿泊客平均は213%増、プレスリリースによる対外的な記事の発信についても6件実現することができ、また、実際のSNSでの投稿に関してのノウハウを習得することができました。
支援終了後、今後実施していきたい事はなんですか
フォロワーを増やさなくては届けたい人へ情報を届けることもできないと考えているので、まずは1万人のフォロワーを目指し、フォロワーを増やして、集客を実施していきたいです。これに向けては、今回の支援では実際に地域の観光スポット等と合わせた投稿や多くの点で有効な取り組みを数値としても感じ、学習したほか、引き続きプレスリリース等の取り組みは行っていきたいと考えています。
また、今回の取り組みでは社内にデジタルを活用した取り組みでの成功事例を作ることができたことで、デジタルを取り入れることの利点を感じてもらえた側面もあります。今後はこの取り組みでの成功体験を活かして、そのほかの社内業務のDXも旅館としてのイメージなどを考慮して目指していきたいと考えています。
今後も地域を含め、社内の組織化や社内でのデジタルやDXといった取り組みに対する成功体験を増やして、より良い活動を実現していくための手法として、今回学んだことを生かした活動をしていきたいです。


(会社概要)
会社名:有限会社大望閣
住所:〒847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1399
業種:飲食店/宿泊業
R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社フォーバル九州支社