
自社の強みを活かしたブランディング戦略の展開へ
提供:有限会社清力旅館
呼子町で旅館業を営む有限会社清力旅館(尾ノ上旅館)様ではペットが泊まれるお宿としての強みを活かした取り組みを実施すべく、今回SNSプレスリリースを活用したブランディングと広報戦略を実施しました。
本事業に参加した経緯を教えてください
以前に商工会にて実施されていたSNS塾へ参加し、すでにSNSでの取り組みを行っていた中で、ペットと泊まれる施設・利用できる施設は少ないので、「愛犬家の方々等に少しでも知っていただきたい」という思いもあり、この認知拡大、ブランディングといった点で、SNSを活用したいと考えていました。そんな中、今回の事業への声掛けをいただき、SNSの有効活用を希望し、事業への参加に至りました。
また、対外的な発信という点では地域の友人コミュニティでも今後対外的な発信方法として「プレスリリースの具体的な勉強をしてみてもいいのでは」という話もある中、対外的な情報発信に関して関心があった点も参加した経緯の1つです。
今回の支援での取り組みについて
DX認定とプレスリリースやSNSといった対外的な広報活動のための支援を中心に支援を実施しました。『お客様への感動と笑顔を大切に、お客様・従業員・地域にとって呼子町のシンボル的観光旅館として、地域の賑わいに貢献する』、を経営理念としている有限会社清力旅館では、2016年呼子町内の国民宿舎施設が入札にかかった際に「呼子町内に立地する歴史ある唯一の国民宿舎施設の光を消したくない」、「地域内の企業による継続が望ましい」との考えのもと、国民宿舎施設を譲り受け、2店舗での運営を行っております。今回はこの2施設のうち、主にペット連れ顧客をターゲットとし、SDGsやワンちゃんの健康、ワンヘルス等の観点にも配慮したリニューアル等を実現した尾ノ上旅館をメインに、取り組みを実施し、愛犬家向けの客室や屋内ドッグラン等の愛犬家に向けた施設の充実を強みとして、愛犬家向けのサイトへの情報のリリースやプレスリリースの実施、SNSに対しての支援を実施しました。
特にSNSに対する支援についてはInstagramを中心として分析ツール(SINIS)を導入・活用し、実際の自社の投稿を分析してどのような投稿が対象顧客へ響くのか、どのような内容がより見られやすいのか、細かく数値変化の分析を行い、投稿を実施しました。また、同様事業を行っている企業をベンチマーク企業とし、実際に期間内の数値の変化と実際の投稿内容、写真の世界観等を分析することで自社での投稿頻度や予約システムへのランチの追加等、自社として『どのような事業へどのように取り組み、どのような発信をすれば、どのような効果があるのか』考える事ができ、フォロワー数を支援開始前の1300から2300以上へと大きく伸ばす事が出来ました。
今回の支援でよかった点は何ですか?
支援を受けたことで目的は達成でき、基本的には全部よかったですが、特にSNSに関しての部分がよかったです。使い方や効果といった細かな部分は自分でできない部分も多かったため、わからない部分をすぐに聞ける環境という点が一番よかった部分です。特に、今回の支援では実際にSNSのフォロワー数の動きとベンチマーク企業企業の投稿内容、インプレッション数やエンゲージメント等の分析内容が見えていることで、自社のリーチ数やイベント、写真の内容等の分母となる数値からいいね等の反応の数、傾向、効果等をイメージして分析や施策を考えられました。また、Instagram活用にて、『ハッシュタグの活用等を実施して「いいね」をいただいた方のプロフィールへとアクセスし、「いいね」を押す』等の地道な活動を実施することや、DM機能を活用する方法など、『どのような機能をどのように活用をすればいいのか』などの具体的な手法を学ぶことができて、また、学んだ内容を実践し、効果を分析することで変化を確認・実感して進めることが出来たのも今回の支援でよかった部分の1つです。
支援の成果について
プレスリリースを月に1度ペースで6件実施し定期的な対外的な発信を実施したほか、SNS(Instagram)ではフォロワー数は支援前、1300人であった部分から2304人(2025年1月27日現在)と大幅に伸ばす事ができました。また、売上に関しても昨年度同期と比較し、116%増、宿泊客も昨年度同期対比で122%増となっており、集客基盤を作っていき集客を実施していく面で、支援の効果は大きかったです。
また、DX認定の取得に関しても現在申請中であり、取得を目指しています。
今後実施していきたい内容や方針等あれば教えてください
SNSでの広報活動には細かな対応が必要な部分もあるので「専門の担当者がいたら」と思うこともありますが、今後も継続していきたいと考えています。その一方で、今後の自社でのDXに関してはバックヤードのDX等は進めていきたいと思っています。
今回の半年間で具体的なツールの導入等はできていないですが、今後はDXで業務の効率化を実現して省人化していきたいです。まだ紙で実施している内容も多く、従業員に幅広い年代層がいる中で急激なDXは難しいのが現状で、実際の例でいうと、シフト作成等の内容は紙とアプリのハイブリッドになってしまっていたりして、かえって工数が増えてしまっているだけというような状況のものもあります。
省人化によってお客様に対する業務時間を増やしていくためにも、すべてを急激にDXしていくというのは難しいので、まずは従業員が働きやすい環境作りをしていく事を目指して進めていきたいです。
また、今回の支援の中で企業をベンチマークして比較した中でも見えてきた部分になりますが、今後はSNSやプレスリリースを活用しつつ、イベントやプロモーション施策の実施を検討したいと考えています。以前もイベントを実施していたもののその際は来場者数が想定以上に多く、キャパシティを超えてしまっていたような状態でした。他社の実施しているイベントの内容等を考慮しつつ、イベントの開催方法やイベント内容を具体的に検討したうえで、実施していきたいと考えています。
レストランのリニューアル等、今後も対外的な広報戦略やブランディングを実施していかなければいけない中で、これからも自ら情報を収集し常に新しい情報をインプットした上で、自社への落とし込みが可能なものの取捨選択、最適化をはかり、社内での目的の共有をして取り組みを進めていきたいです。
(企業概要)
企業名:有限会社清力旅館
住所:〒847-0304 佐賀県唐津市呼子町殿ノ浦1672-2
事業内容:旅館業
R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社フォーバル九州支社