事例紹介

【飲食業】配膳ロボット導入で人手不足解消|成功のポイントは課題解決意識

提供:株式会社上場食肉

昨今、飲食店の深刻な課題として挙げられる「人手不足」の問題。業界の中でもいち早く行動を起こした株式会社上場食肉は「DXマインド創出・実現補助金」を活用して、上場亭~うわばてい~(枝去木店)に2台の配膳ロボットを導入しました。世戸社長の課題解決のために迅速に動くスピード感や、変化を起こすことに対してのポジティブな意識の持ち様について話を伺いました。

課題意識と情報収集のアンテナ

食事を運んできたロボット
配膳ロボット
中島/SISC

配膳ロボットを導入しようと思ったきっかけを教えてください。

世戸社長

人手不足が一番大きいです。

飲食業なので週末の金土日の夜が一番忙しいけど、そういう時ほどスタッフが集まりづらい状況。お店にはお客さんが来てくださりますが、スタッフがいなければ全力のおもてなしができません。

ロボットも45年前から探してはいたのですが、当時はまだペッパー君がいてしゃべるくらいの状況でした。ようやくAIを搭載した配膳ロボットが去年くらいから本格的に出てきたという感じです。

中島/SISC

そんなに前から情報収集をされていたんですね。

注文タブレットの導入も早かったと記憶していますが、それも人手不足の解消が目的でしょうか?

世戸社長

タブレットを導入したのは2012年、そのときは人手不足ではなくて効率化でした。

お客さんが自ら注文を入れてくれるのでスタッフが注文を聞くときの聞き間違いがないですよね。

ミスをなくして、一番忙しい時間を効率よく回すためにタブレットを導入しました。

効率を上げることと、ミスをなくすことが目的でした。

中島/SISC

そういった新しい技術の導入などに積極的だったのは世戸社長のご意向ですか?

世戸社長

新しいもの好きですからね(笑)

焼肉業界、居酒屋関係の展示会に毎年情報収集に行っています。

良いものを見つけたら導入するということを昔からやっていて、常にアンテナは張っていますよ。

中島/SISC

社長は最近世代交代されたそうですね。以前からこういった取り組みや導入は社長権限だったんですか?

世戸社長

うちは父が元社長(現会長)なんですが、以前は小売事業と飲食事業で担当分けをしていました。担当事業に関してはかなり任せてもらっていましたね。今はすべて僕が責任者としてやっています。

中島/SISC

センターへ相談にいらした方から「決裁権限を持つ社長がイエスと言ってくれない」とか、「権限を委譲してくれない」といった導入のハードルをよく聞きます。DXの推進をスムーズに行うにはやはり、社長や上司の理解も必要ということですね。

導入の成果

ロボットが運んできた食事を受け取る
ロボットが運んできた食事を受け取る
中島/SISC

実際に配膳ロボットを導入されてみていかがですか?

世戸社長

今やなくてはならないスタッフです。

ホールスタッフが1時間に10回往復していたのが、半分の5回になりました。その分バックヤードでの調理に人を回すことができて、目に見えて効果が出ています。

中島/SISC

この本店(枝去木店)のほかに、いくつか店舗を持たれていますよね。配膳ロボットを他の店舗にも導入検討されていますか?

世戸社長

導入する可能性はありますが、他の店舗は比較的、通路が狭いのでその問題を解決しないといけないですね。人とロボットが通るので広い通路でないといけない。後々導入できればいいなと思います。

中島/SISC

導入当時、従業員の方々の反応はどうでしたか?

世戸社長

説明しても写真見せても最初は「?」という感じでした(笑)

不安とワクワクと両方あったのではと思います。

今は有効に使ってもらっています。仲間が増えたという感じですかね、余裕が生まれている気がします。

ITPCなどの知識がない方でも、〇番テーブルに行ってこいとポンとボタン押すだけで操作が簡単なので使いやすいのがよかったです。

仕事の仕方や環境さえも変えていく意識

中島/SISC

お客さんからの反応はどうですか?

世戸社長

それぞれ扉付きの個室なので、ロボットが運んできた料理をお客さんが取ってくれるか最初不安だったんですが、ロボットが到着したのがわかりやすいよう扉を変えるなど工夫しました。

ロボットが音楽を流しながら移動して到着したら言葉を喋るので、お客さんも抵抗なく受け入れてくださって、中でも子供たちが率先して配膳してくれたりお手伝いをして楽しんでくれてたりしています。

新聞を見て来店されるお客さんや他県からの視察もあり、嬉しい反応が多いです。

ロボットの名前をお客さんから募集するキャンペーンも1か月ほど実施しました。

中島/SISC

普通、今ある仕事の仕方や環境にあてはまるシステムや機械を導入しようとする方が多いと思うのですが、お客さんにわかりやすいよう扉を変えるなど、仕事の仕方とか環境さえも変えていく姿勢が素晴らしいですね。

世戸社長

そもそも現状を変えていかないといけないという課題があって、その解決のために逆算するしかないという意識は持っていました。

扉の下部分は到着したロボットが見えるようになっている
扉の下部分は到着したロボットが見えるようになっている
中島/SISC

センターでもデジタルトランスフォーメーション(DX)の「X(変革)」が大事だという話をよくしていますが、まさに根幹だと思います。ロボットは配膳以外の活用の仕方もされていますか?

世戸社長

下げ膳でも利用しています。ランチタイムは14時頃お店を閉めて片付けをするんですが、これが結構重労働で、お盆が3つあれば人が3往復しないといけません。これが導入後は、ロボットを席へ連れて行って2つのお盆を載せ、人が1つを持っていくというやり方をするようになりました。

導入課題とこれからの課題

中島/SISC

導入を進めるにあたっての課題はありましたか?

また、今感じている課題はありますか?

世戸社長

導入検討中はロボットのメーカーが東京で、距離があるのが気になっていました。今導入しているロボットは佐賀に代理店があったのが決め手で導入を決めました。

今後あるとしたら人材の安定化が課題ですね。ロボットとはいえ人が動かすものですから、最低数のスタッフは必要です。

さらなる挑戦

中島/SISC

今回は配膳ロボット導入のお話を聞かせていただきましたが、これ以外に今検討されていることはありますか?

世戸社長

今セルフレジの導入をすすめていますが、今度は肉の加工とか小売り事業の方でもIT化していきたいです。

肉を切ってパックする機械とレジを連動させて、売り上げが通ったら工場へオーダーの通知が行く在庫管理のようなシステムや、お肉をカットからパックに並べるまでの工程を作業ロボットでライン組んで自動化するなどいろいろ考えています。

中島/SISC

お話聞かせていただき、ありがとうございました!

株式会社上場食肉

県内企業 玄海町

当店では、味・品質・鮮度を一番大切にしております。生産者と消費者の笑顔のパイプ役として、良質で安全なお肉を安心して皆様へ食べていただけるように、長年培った経験と知識に基づき一般小売りから業務用まで厳選した仕込みと真心込めた販売に専念しております。また、卸、小売販売だけでなく、直営の焼き肉店も併設しており、新鮮な佐賀牛をリーズナブルにお客様へ提供いたします。地域貢献・地域活性にも努めながら、地元の皆様はもちろん遠方のお客様にも、喜んでいただけるよう取り組んで参ります。

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