事例紹介

物流会社の挑戦!vol.1〜スタート編〜

提供:合同会社KITSライン

私たちが日々生活の中で利用しているスーパーや飲食店。そこに並ぶ商品や食材は、当たり前ですが、どこかから"運ばれてきたもの"です。そう、私たちの生活には生産者だけでなく、「物流」の存在が欠かせません。 「鳥栖市」や「吉野ヶ里町」の県東部エリアには、大きな倉庫を持つ物流企業がたくさんあります。物資を運ぶ、という役割を担うこの業界にも"DX"の動きが始まっているようです...!一体どんな取り組みなのでしょうか。これから3回にわたって物流業界のDXに迫ります!

佐賀県が実施する「DXフラッグシップモデル創出事業」

デジタル技術を活用して、より良いビジネスのやり方や仕事のやり方に変えていく「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。コロナ禍により新しい働き方が求められるなど、世の中が大きく変化している中で、DXの流れは急激に加速しています。

企業がこの先競争に生き残っていくためには、DXは必須かつ急務となっているようです。

そこで、佐賀県内の中小企業のDXを後押しするため、佐賀県では専門家によるコンサルティングや、システム設計・導入にかかる費用等を補助する「佐賀県中小企業DXフラッグシップモデル創出事業」を実施されています。

今年度この事業に選ばれたのは、物流業の「合同会社KITSライン」。現在の業務がDXによってどう変わっていくのでしょうか。現場にお邪魔させていただきました!

KITSラインってどんな会社?

大きな2つの倉庫と事務所、緑色のトラック

佐賀県吉野ヶ里町にある「合同会社KITSライン」。5000坪もある広大な敷地には、大きな2つの倉庫と事務所があり、20tトラックが何台も並んでいます。本部長の前田さんと、センター長の永井さんにこれから取り組むDXについてお話を伺いました!

EDITORS SAGA編集部 牛島

本日はよろしくお願いします!早速ですが、KITSラインさんはどんな事業をされている会社なのでしょうか?

前田本部長

はい、私どもは冷凍食品をはじめ、製品、半製品、原料の保管や、外食店舗、量販店への店舗配送をはじめ、コンビニの指定センターや各地の工場への輸配送を得意とし、安定した物流構築を目指しております。そのような中、全国規模の外食企業さまや、地域密着型の地元メーカーさまなど多岐にわたる取引先さまに弊社のサービスをご利用いただいております。

永井センター長

弊社の倉庫では、冷凍・冷蔵・常温の3温帯の管理が可能となっています。単に荷物を運ぶだけではなく、商品の入出庫・保管、商品管理、店舗別仕分け、店舗への納品業務まで一貫して対応していますよ。

DXに踏み切ったきっかけとは?

牛島

これからDXを図られるということで、きっかけや経緯をお聞かせいただけますか?

前田本部長

敷地内に2つ倉庫があるのをご覧いただいたかと思いますが、1つは2020年に建てた新しい倉庫になります。倉庫が増えればもちろんお客様も、取り扱える商品も増えるわけで、多様なニーズに応えるためには管理の方法を見直さないといけないと考えていました。

というのも、現状では業務のほとんどが手作業での対応で、長年勤務している従業員に属人化した業務が多いので、新しい依頼を受けた時に即時に対応できないという状況なんです。

また、従業員の高齢化、若手従業員が定着してくれないなどの課題もあり、業務のやり方を大きく改善しなければと思っていたところで、佐賀県の「DXフラッグシップモデル創出事業」を知り、「これだ!」と思いました。

永井センター長

現状から一番大きく変えたいと思っているのは「紙」での管理方法ですね。

現在、倉庫で扱う荷物には紙の帳票を使っているのですが、どこにどの荷物があるか、紙を見ながら倉庫の中を探す、といった形です。荷物の数も目視で数えて表に書き込みしています。それが-20°の冷凍庫の中でも同じ作業をしなければならないので、手が震えて時間もかかるし、ケアレスミスも起こりやすくなってしまいます。

実際の倉庫を見てもらった方が分かりやすいと思いますのでご案内しますよ!

倉庫へ潜入!現場でのアナログ?な作業とは

現場でのアナログ作業

大きな倉庫の中にはたくさんの荷物が高々と積み上げられています。まずはチルド庫(冷蔵庫)に案内していただきました。こちらの室温は6°に設定されています。

棚に振られた「番地」

ずらりと並んだ棚には、荷物の位置を示す「番地」となる英数字が振られています。この札を頼りに、たくさんある荷物の中から目的の荷物を探し出し、必要な個数を出荷するそうです。

従業員がバインダーと鉛筆を持っている様子

従業員の方の手にはバインダーと鉛筆。荷物に貼りつけられた帳票を確認しながら手元の商品リストと照合しています。

冷凍庫からフォークリフトが出てくる様子

大きな銀色の扉が開きました。その向こうは-20°の冷凍庫。フォークリフトで荷物が運び込まれていきます。

意を決していざ潜入!

棚に貼られたラベルを指さす永井センター長

さ、さむい......!

3分もすると体の芯まで冷えて来ました。こちらでも同じように棚に振られた番地を頼りに目的の荷物を探し当て、紙のリストでチェックします。

紙に記録する従業員の手元

私だったら絶対手が震えて上手く書けません(汗)

従業員の方は慣れた様子でスイスイと作業中。ですが、さすがにこの環境で長時間の作業は難しそう......。寒さの限界が来たので一旦外へ脱出!

課題のまとめとDX化のプラン

牛島

倉庫を見学させていただきありがとうございました!あんなにたくさんの荷物を、紙のリストで管理されているんですね。

永井センター長

そうです。チェックして書き込みを行なったリストは、倉庫を出て事務所まで持っていき、事務員が手入力でシステムに打ち込むという流れになります。また、現状使っている複数のシステムはお互いに連携ができないため、同じ帳票を各システムに入力するという重複入力も発生している状況です。

前田本部長

システムが連携できていないことや、エクセルで管理している業務があることで、

・データの活用や、経営判断に必要な数値のタイムリーな把握ができない

・従業員のシフト作成など月次業務に時間がかかる

・テレワークなど柔軟な働き方に対応できない

といったことも課題となっています。こうした部分を改善するために、今回取り組むDXの大きな方針としては、

・倉庫管理システム・配送システムをクラウド化してデータ連携機能を強化

・手作業の業務をデジタル技術を活用することで生産性の向上を図る

としました。

牛島

例えば、どんなシステムを導入されるご予定なんですか?

前田本部長

倉庫での出荷作業には「ボイスピッキングシステム」を導入する予定です。これは、作業者がインカムのようなヘッドセットを装着して、音声で聞こえてくる指示に従い商品をピッキングする(選んで取り出す)システムです。リストやペンを持つ必要がなくなるので、両手が空き荷物を運び出しやすくなります。また、指示の内容も数字になるので、海外から来ている実習生も作業しやすくなると期待しています。

また、「ハンディーターミナル」というシステムで入庫時の検品作業を簡素化したり、「AI-OCR」「RPA」で手書きの帳票や書類を読み取ってデータを自動生成することで、これまでの入力作業を削減しようと計画しています。

永井センター長

他にも、ノートに手書きで記載している給油の記録をスマホやタブレットで入力できるようにしたり、シフトや配送ルートの作成を自動で出来るようにするなど、諸々計画しています!

牛島

なんだか劇的に業務が変わりそうですね!導入後、どんな風に業務が変わるのか楽しみです!

Vol.2もお楽しみに!

アナログな手法で行なっていた作業を、デジタル技術の力で改善する「DX」。

前田本部長を筆頭に、これからどんな業務改革が起こるのでしょうか。

次回はシステム導入が進んだ現場をレポートしたいと思います!お楽しみに。

執筆:EDITORS SAGA編集部 牛島

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