
業務を効率化し働き方を改善するDX
提供:ファームチョイス株式会社
2017年4月に開業したファームチョイス。飼料の生産を主に行う同社では、生産計画の属人化やペーパーレス化、業務時間の削減に課題を抱えていました。本事業での取り組みや今後の展開について、製造部の池澤さまと岩永さま、管理部の中嶋さまと中野さまにお話を伺いました。

(写真左から)
製造部 取締役 部長 本社工場 工場長(兼務)/池澤 篤さま
製造部 品質管理課/岩永 悠太さま
管理部 部長 業務課 課長(兼務)/中嶋 康貴さま
管理部 業務課/中野 和広さま
ファームチョイスの企業概要
「ファームチョイスは、養魚用配合飼料事業・鮮魚事業を拡大して効率的な運営体制とするため、2017年4月に日本水産株式会社(現、株式会社ニッスイ)から分社化、開業しました。生産工場のある伊万里、唐津を拠点とし、主にブリ・タイの養殖用飼料の生産と販売を行っています。また、天草にブリの養殖場と水産加工場を持っております。
弊社では、自社ブランド『天之瀬ぶり』を立上げ、全国へ出荷しています。天之瀬ぶりの特徴は、①飼料から養殖加工までの一元管理②血合肉の変色を抑える独自の仕上げ飼料を使用③水揚げ後すぐに活け締めする事で高鮮度・高品質となります。この一元管理の取り組みは世界でも数社しかなく、日本国内では弊社のみとなります」
DXに取り組むきっかけと課題
「現在、岩永が生産計画を作成しているのですが、その手助けができるプログラムを作れないかというのが、製造部の一番の希望です。
さらに、伊万里、唐津、天草と拠点が分かれていることもあって、管理部を効率化したいという構想もありました。
製造部は工場の運用運営業務がメインで、営業部とのやり取りもします。また、管理部は経理や総務を含む経営資源の管理と、原料の手配など製造部と連携する業務を行っています。
製造部では、生産計画を営業とやり取りしながら作成しており、即日対応などの変更も多く、個人の力に寄るところがほとんどです。システムが分担できる作業部分が増えれば、岩永の負担が減ります。生産計画が属人化し、1人に作業が集中する現状を改善したいですね。
そのためにも、情報を会社全体で共有できれば、例えば、不測の事態などにも速やかな対応が可能になるはずです。
そして、管理部は紙決済が多く、ペーパーレス化ができないかと考えていましたし、残業が多かったのもDXによる解決を期待している課題の1つです」
本事業で取り組んだ作業
「本事業を取り組む中で、製造部が主な課題にしている生産計画のシステム化は、変更事項など個別対応の部分が多く、残念ながら今後への課題であり続けそうです。しかし、今まで自分たちの業務を振り返る時間があまり作れていなかった中で、本事業により見直す機会を得たことが、まず良かったと思っています。
管理部の方では、今回のサポートを受けた事で、専用ツールの導入ではなく、すでに利用しているMicrosoft365に含まれるアプリを活用する事で、追加費用をかけることなくワークフローを作成する道筋が見えました。
また、SharePointによるフォルダ管理など、今後の取り組みに対するアドバイスもありがたかったです」
今後の展望
「まずは生産計画に関わるプログラムを作り、足りないところはまた後で考えていく、そんな形に持って行きたいと思います。簡単なものでもいいから、今やれることをやっていきたいですね。正直、追加変更の部分までコンピューターで管理することは難しいと思います。しかし、受注データをメールベースではなくてシステムで管理すれば、生産につながる情報を早めに共有でき、例えば、原料を納入していただいたり、製品を発送していただくトラックの手配なども、効率化するかもしれません。
管理部では社内ワークフローシステムを見直す事で、将来的には請求書処理を会計システムと連動させたり、人事労務システムをデータベース化するなど、業務作業の削減を期待しています。
これは会社全体の課題でもありますが、私たちも含めDXやペーパレス化に対する意識がまだまだ低いと感じています。今回のDX事業への取り組みは、業務全体の効率化を意識する良い機会になりました。
今後は、作成したワークフローを業務に組み込む事に加え、DX担当者の育成を行う必要があります。また、私どもの事業は自然の恵みによるものであり、サステナブルDXを意識した取り組みを考えていきたいです」
(企業概要)
企業名:ファームチョイス株式会社
住所:〒849-4256 佐賀県伊万里市山代町久原1-61 (伊万里油飼工場)
事業内容:配合飼料の製造販売/養殖魚の仕入販売/養殖魚および加工
R6年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社ワクフリ